歯周病をほっとくと脳卒中や心筋梗塞になる!?

歯周病は全身に影響する

 歯周病とは、歯を支える歯茎に炎症が起こる病気です。原因は歯周ポケットに溜まる歯垢の細菌で、菌が作り出す毒素などが炎症を引き起こします。歯周病菌が血管をめぐって全身の臓器に影響を及ぼし、動脈硬化による脳卒中や認知症、狭心症や心筋梗塞など命に関わる病気を引き起こします。また、肺炎や糖尿病、骨粗しょう症やがんなどさまざまな病気のリスクが高まってしまいます。これらの病気のリスクを避ける為にも、歯の健康をきちんと維持することが必須というわけです。

歯垢は2~3日で石灰化する

 時間をかけて一生懸命歯磨きしても、歯医者さんに「歯石が付いている」と言われたことはないでしょうか。歯垢は歯磨きだけでは取り除きにくく、歯の隙間に残ってしまうのです。歯垢を取らないまま放置してしまうと、唾液中のカルシウムやリン酸塩を取り込んで石灰化し、歯医者でないとなかなか取れない歯石へと変化してしまいます。歯石があるとさらに歯垢が付きやすくなり、どんどん歯石、歯垢が付きやすくなるという負のループが始まります。したがって歯周病の元凶である歯垢をきちんと取り除けば、負のループを断ち切ることができるのです。

歯垢は口臭の元にもなる

 歯垢から歯石になると細菌が住み着きやすくなります。歯石は顕微鏡で見ると表面にぼこぼことした穴が開いており、そこに細菌や汚れが溜まるからです。歯石はまさに菌の温床というわけです。歯周病の原因菌は「硫化水素」や「メチルメルカプタン」という玉ねぎや卵が腐ったような臭いや硫黄のような臭いを出すのです。